2020-10-24
スタッフ研修:Food Wasteへの取組🍎
みなさんこんにちは!季節の変わり目、いかがお過ごしでしょうか?
日本でも秋を通り越して初冬の寒さを迎えた地域が多いようですね❄️
バンクーバーも、最近は寒さが際立ってきまして、寒い時間帯は一桁台の気温です(週末からは最高気温も一桁台が続く予報です)小型ヒーターをすでに引っ張り出し、さらに寒くなった時の奥の手がなくなり、密かに怯えております
寒くなり出すのは、こんなに早かったかしら?と不思議に思っているのですが、これも地球の悲鳴なのでしょうか🌍
地球といえば、先日も話題にあげたSDG’s(持続可能な開発目標)!!
先月末に、トワイライトのスタッフ研修で、「企業ができる食品廃棄削減への取り組み」に関するセミナーに参加しました🌱
セミナー名:The business case of food waste prevention
主催:Rethink2gether(バンクーバーのサステイナビリティ・コンサル会社)
協賛:City of Vancouver(バンクーバー市)
LightBlue Environmental Consulting Co., Ltd(タイ発祥のサステイナビリティ・コンサル会社)
The PLEDGE on Food Waste(食品廃棄問題への取り組みの査定・認証機関)
こちらのセミナーは、主に飲食や食品業界向けではあったのですが、某スタッフが主催者とお知り合いということで、以前も参加いたしました。カナダやバンクーバー内の食品廃棄の状況やビジネスへの影響などへも言及されていて、他業種であるものの、大変勉強になりました。
バンクーバー市のシニアマネージャーも登場し、食品廃棄の現状とバンクーバーの取り組みを知ることができたのも収穫でした👍
世界的に見た食品廃棄のインパクトを、まずはこちらの画像でご覧ください👇
生産された食べ物のうち1/3は廃棄されている もし「食品廃棄」が国だったら、中国・アメリカに次ぐ世界第3位の温室効果ガス排出国 食品廃棄問題へ取り組むことは、世界で7000億USドルもの経済効果を産む可能性がある
食べ物がもったいない、ゴミが増える、のその先には環境への大きなダメージが直結しています。目に見えづらい因果関係ですが、これは私たち個人レベルでも関わっていることですよね😰
バンクーバーでは、『Zero Waste 2040』という、2040年までに達成すべき目標を市として具体的に掲げています!
『Zero Waste 2040』
- 2018年にバンクーバー市議会によって承認
- 20年以上、家庭ごみの中でも生ゴミの分別を指定、収集したものを堆肥等として活用する取り組みを続けている
- 2013年、生ゴミ収集を2週間おきから毎週に増加、その他ごみ収集は毎週から2週間おきに削減
- 2015年、生ゴミを普通ごみとして出すことを禁止
こんな感じの変遷を辿って、2040年には廃棄ゼロを目指しているのです🌍🌱
さぁ、ここで皆様に問題です!
カナダで生産される全食糧のうち、廃棄されるものの割合はどのくらい(%)でしょう?
- 25%
- 48%
- 58%
- 72%
正解は・・・
cの58%です!!
サステイナビリティに力を注いでいるカナダではありますが、なんと全生産量の半数以上が廃棄されているなんて・・・衝撃でした😢
ちなみに、この58%の中には、避けられない廃棄と避けられる廃棄とがあります🚮
避けられない廃棄は、例えばお米のもみ殻や、お肉の骨など、食べられる部分を調理し終えた後に出てくる、元からわかっている食べられない部分を指します。
避けられる廃棄は、お店の売れ残りなど、食べられるのに、予定外に捨てられる食糧のことです。これを、食品ロスと言います。
避けられない廃棄を上の58%から引くと、それでも全食品生産のうち32%ほどが食品ロスに当たるのだそう・・・。ということは、食品廃棄物のうち、55%は救えるはずの食べ物ということになりますね。これを重さにすると、実に1,120万トンもの量!!凄まじい量です😱
それでは、2016年のバンクーバーでの食品廃棄物のうち、避けられる廃棄は何%でしょう?
- 2%
- 30%
- 48%
- 66%
こちら、正解は・・・
dの、66%・・・。すごくショッキングな数値です。これを受けて、バンクーバー市は現在、一層の努力に励んでいるわけなんです💪
バンクーバー市では、下記の図でわかる通り、現在多くの機関・企業と連携をとってこの問題に取り組んでいます。
その中でも、最近目に見えて変化を感じるのが、『Circular Food Economy』(循環型食品経済)政策です!
- 食品の過剰生産、過剰購入をやめよう!
- どうしても出てしまう食品廃棄物に、別の価値、使用用途を与えよう!
- まだ食べられる、でももうすぐ廃棄対象の食べ物を救おう!
- 食べられない食品廃棄物は堆肥に、もしくは工業的利用を!
というのが、主な理念なのですが、バンクーバーにはパッケージのない「必要な分だけ買える」量り売りの食料品屋さんや、廃棄寸前のまだ新鮮な野菜を提供するカフェやお店などが出てきました👀
ちなみに、このカフェ、トワイライトではお馴染みUBC内にもあるんですよ!詳細はこちらをどうぞ。量り売りの食料品屋さんは、食用油や調味料も量り売りです。ビンやお弁当箱、エコバッグを持参するスタイルで、プラスチックごみも出ません👏
さて、もう少しビジネスよりの問題をひとつ。
BC州のフードサービス業界では、売上高の5%が収益だそうです。では、食品廃棄物にかかるコストは、売上高の何%に当たるでしょうか?
- 2%
- 3.5%
- 5%
- 7%
こちら、なんと・・・
収益を上回るdの7%が食品廃棄物コストに費やされているのだとか!!!儲かる額よりも、浪費額が大きいなんて、企業にとっては目を背けたい現実ですよね・・・。こう考えると、環境や倫理的な問題の他にも、いかに食品廃棄が無駄かがわかりますね💰
日本でも毎日大型(10トン)トラック1,770台分の食品が廃棄されている現状です。これは年間1人当たりの食品ロス量でいうと51 kg だそうで、ほとんど年間1人当たりの米の消費量(約54 kg)と同じだそうです!つまり、1年でお米を食べる量と同じ分だけ、1日のうちに「まだ食べられる食品」を捨てているということなんです!!
これは、飢餓に苦しむ地域へ送られる食糧支援量を2倍以上上回る程、食品を無駄にしているということなのだそうです。
BC州ビジネス面での食糧廃棄による財政圧迫について触れましたが、もっともっと身近なところでいうと、日本のご家庭でも同じような家計圧迫があると思うのです💴
総務省の家計調査によると、日本のご家庭では、食料が消費支出の1/4を占めているそうです。データはないのでわかりませんが、一体そのうちの何%が食品ロスで占められているのでしょうか・・・厳密に計算すると、頭を抱える数字が出てきそうです😰😰
皆さんも、ちょっと傷んでしまったお野菜、残ったお夕飯、賞味期限の近いもの、勢い余って捨ててしまっていませんか?
個人個人の意識で変えられることがたくさんあるこの食品ロス問題、私から、あなたから、少しの変化をもたらしてみませんか?
そういえば、トワイライトスタッフの関西ボーイSくんが何やら面白い試みをしていましたので、ご紹介しますね!🤗
突然ですが、皆さんバナナは好きですか?🍌
すぐに食べられて手軽だし、栄養価は高いし、お菓子にしてもスムージーにしても美味しいしで、とっても万能ですよね💕
でも、放っておくとすぐ真っ黒に・・・そこでポイっとしていませんか?お菓子やジャムなど、黒くなった後にも活用方法があるのでぜひレシピを探してみてくださいね🍳
しかし・・・トワイライトの関西ボーイはそれだけに留まりません・・・なんと、なんと!彼はバナナの皮さえも無駄にしない強者なのです!!!その証拠写真がこちらです📸
まさか、皮までも食べられるとは!しかも黒くなってしまった皮でも作れるようです!弊社の関西ボーイもなかなかの猛者ですが、バナナ自体のポテンシャルにも唸らされますね・・・!🍌
試してみたい方は、レシピをこちらからご参照くださいね。ちなみにオーガニック🍌をぜひご利用ください!英語のお勉強にも、お料理はもってこいです😉
皆さんの食品ロス削減アイデアはありますか?私は、「野菜はなるべく皮、種とわたまで使う」「食品の冷凍術を駆使して腐らせずに食べきる」「有機廃棄物はお庭の肥料にする」など、簡単なことを徹底しています。インパクトのある取り組みではありませんが、少しずつ、そして確実に貢献するのも、SDGs達成への道のりの一つです。
皆様の食品ロス削減アイデア、何かありましたら、ぜひコメントでお寄せくださいね💬
寒さに負けず、健康第一で秋をお迎えください🍁
By Mayumi
2 Comments
投稿してから14日以上経過しているためコメントを停止しています。
バナナの皮で思い出しました。日本では、皮ごと食べられるバナナが開発、販売されています。
http://kamibanana.co.jp/
バンクーバーのゴミ収集で思い出すのは、何度もあったかと思いますが、収集部門のストライキです。ゴミが溢れていましたね。
そう言えば、ウィスラーでしたか、ゴミ箱がクマに荒らさないように開かない工夫がしてあって感心したのを覚えています。北バンクーバーでは鹿にあったこともあります。クマ警報などがあって。
現在のバンクーバー市の収集方式も進んで来ましたね。
ちなみに、日本でもいろいろな改善がありました。家庭ゴミの場合は、基本的に自治体の市区町村が収集し処分(焼却その他)します。
たとえば、私の住む地域では、生ゴミは週2回、再生される紙ゴミ(段ボール、シュレッダー紙、書類紙、等」は週1回、金属等(缶、ビン、焼却できないゴミ、等)は週1回、包装プラスチックは週1回、その他の焼却できるゴミは生ゴミと一緒。
生ごみと焼却できるゴミはまとめて、昨年有料になりました。それに、集積所ではなく、各家庭に集めに来ます。コンドの場合は出した家の名札を明示します。
最近の印象ですが、コロナ禍で、中食(内食、外食、の中間)用に出来合いの食品を買って来る機会が多いせいで、食品の包装プラスチックのゴミが多量に出るようになっています。
量り売りには抵抗感があるようです。バッフェイのレストランでは、お客がマスクをして、トングは無料で提供されるグローブ(ビニール製)をして使うことを求められます。
Masa様
返信お待たせし、申し訳ありません。
「神バナナ」拝見しました!ネーミングのインパクトもさることながら、ホームページも気合の入りようが伝わります。バナナをこよなく愛する様子が文面から伝わってきて、何とも食べてみたい気持ちにさせられます。また日本帰国時の楽しみがひとつ増えました。
確かに、ノースバンやバンクーバー郊外など、野生動物への対応策が生活に溶け込んでいますね。私はバンクーバーに初めて来た時に、ノースバンでホームステイをしていましたが、バックヤードでファミリーの飼い犬がスカンクを追いかけ回していたり、熊が窓から見えたりなど、今ではいい思い出です。
>生ごみと焼却できるゴミはまとめて、昨年有料になりました。それに、集積所ではなく、各家庭に集めに来ます。コンドの場合は出した家の名札を明示します。
各家庭で収集ですか!あの電柱に引っ掛けられた緑のネット、もうあまり見ない景色なのでしょうか?排出家庭の名札まで必要とは、なかなか厳しいですね。日本では、収集の際に不適なものが入っていると突っ返されますし、こういった点は本当にきちっとしていますよね。私の住んでいるエリア(バーナビー)と比べますと、私の出身地(東京某所)は分別がかなり細かかったなと感じます。
>中食(内食、外食、の中間)用に出来合いの食品を買って来る機会が多いせいで、食品の包装プラスチックのゴミが多量に出るようになっています。
これは、バンクーバーでも同じかもしれません。レストランでも、木製や紙製のパッケージを使用するところが増えてはいますが、やはり油染み、漏れなどもあり、顧客満足度とコストを考えると逡巡するのも頷けるな、と板挟みの気持ちです。量り売りの件ですが、コロナを受け、大手のスーパーマーケットはキャンディやコーヒーの量り売りコーナー、出来立てパンコーナー(トングで取るタイプ)を一時廃止しているところが多くあります。(代わりに、プラスチック製のパックで個別包装です・・・)苦肉の策ではありますが、環境への負担がさらに増えることを考えると、心苦しい期間です。
>バッフェイのレストランでは、お客がマスクをして、トングは無料で提供されるグローブ(ビニール製)をして使うことを求められます。
バッフェスタイルのレストランは、バッフェ続けていらっしゃるのですね!小皿に全て取り分けた状態で用意しておくなど、ゲストが取り分けをしない方法に一時シフトするものかと想定していました。もちろん手間がかかる分人件費もかかりますし、そのような対応はなかなか難しいのでしょうね・・・。本当に、様々な業界にとって大打撃の1年です。Masa様もどうか健康に十分お気をつけくださいませ。
By Mayumi